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年齢差別禁止法の立法趣旨は?例外もあるとはいえ、雇用における年齢差別を原則として禁止するという、なかなかにエイジフリーな(意味不明?)措置を定める年齢差別禁止法。
さてこの法律、どのような目的のために立法されたのだろう。 そんなの、差別禁止法なんだから、差別を禁止するために決まってるだろ舛‥と言われそうだが、話はもうちょっとややこしい。
実は、立法当時に一番問題視されていたのは、募集・採用時における年齢制限による年齢差別であった。 雇用の「出口」の問題である定年制、すなわち年齢に基づく強制的な退職制度の方ではなく、雇用の「入口」の問題、採用差別の方をよりゆゆしき問題ととらえていたのである。
当時の議会では、次のような議論がなされていた。 高齢者の失業率自体は決して若年層と比べて高いとはいえないが、失業の期間でみるとその長期化傾向が明らかである。
そしてその原因は、採用において年齢に基づく差別がなされているからである。 だからこれを是正しなければならない、つまり、中高年齢者の失業期間長期化を防ぐこと、募集・採用時における年齢差別をなくすこと、これこそが年齢差別禁止法のそもそもの立法趣旨だったのである。
言い換えれば、定年制はよくない、雇用終了時における年齢差別はいけない、という考え方は、少なくともこの時点ではあまりなかった。 最終的に法律の保護対象年齢に65歳という上限が設けられ、65歳以上の定年制ならば可能、という枠組みが採用されたのがそのなによりの証拠といえるだろう。

このように、年齢差別禁止法は確かに「差別」禁止法として誕生したが、人種差別や性差別を禁止する法律(公民権法)とは異なり、市民の人権保護よりも、募集・採用差別の禁止によって中高年齢者の長期失業を防ぎ、その雇用を促進することを目的とするものであったのである。 人権侵害だから差別を禁止した、というよりは、中高年齢者の雇用問題を、差別禁止というアプローチで解決しようとした、ということなのだろう。
その後の改正と「グレイーロビー」しかし、このような年齢差別禁止法立法当初の考え方は、徐々に変質していくことになる。 その後の法改正により、年齢差別禁止法は中高年齢者の雇用促進のための法律から、人権保障のための法律へと徐々にシフトしてきている。
すでに述べたように、1978年及び1986年の改正では、保護対象年齢の上限が撤廃された。

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